2019年6月 らんちゅうの育成

6月に入ってからは、5月後半の頃の「真夏のような暑さ」はそれほどなく、どちらかというと涼しく感じる日が多かったような気がします。そのせいか、二歳魚、三歳魚のメスたちの産卵も6月に入ってからは数回見られる程度でした。

今月ご紹介するのは、2月の本ブログでもご紹介しているこちらの二歳魚です。
昨年11月頃まで黒い部分を残していたこの二歳魚も、今では完全に黒い部分はなくなりました。2月の頃と比べて赤色が濃くなったのと、肉瘤が発達してきたため随分と全体の雰囲気が変わってきました。

この個体の2月頃(上の画像)と今月(下の画像)の頭のようすです。
こうして並べてみると、結構ちがってきていることがわかります。頭全体が白くなってきていますが、このあたりでそろそろ色は安定するのではないかと思います

じつは、このオスは体があまり大きくなっていません。調子が悪いということはないようですが、体が短いタイプでオスなので大きくなりにくいのかもしれません。

体が大きくならないといえば、こちらのオスも大きくなっていません。色は濃くなりましたが、体の大きさは兄弟魚の中でこの個体が一番小さいです。体が大きくなっている兄弟魚と比べると、その差はどんどん開いているような気がします。

さて、4月に山田芳人さんからいただいた卵から孵化した当歳魚の今月のようすです。

鱗がはっきりみえるようになり、だいぶらんちゅうらしい姿になってきました。先月までは、冷凍赤虫をカッターナイフで削って与えていました。現在は、ふつうに割って1回に5片くらい与えていますが、食べる量が日に日に増えていくのがわかります。

この当歳魚たちの体の大きさはこんな感じです。

当歳魚は冷凍赤虫をものすごい勢いで食べますが、二歳魚、三歳魚たちはあげてもそんなに喜んで食べているような気がしません。金魚も人と同じように年齢とともに好みが変わってくるようです。


2019年5月 らんちゅうの育成

今年の5月後半は30℃を超える日が何日もあり、まだ6月前だというのにすっかり真夏のようです。前回の本ブログで「4月下旬にもなると暖かい日が多くなってきました」などと呑気なことを言っていたのがなんだか遠い昔のことのようです。

5月に入ってから、二歳魚、三歳魚のメスたちが相次いで産卵を始めてしまいました。二歳魚のメスはぜんぶで三尾いて、オスに追われるのをふせぐため、メスだけで同じ飼育容器で飼育しているのですが、一度にみんな産卵して飼育水はドロドロです。飼育水を抜いてみると、飼育容器には何千という卵がびっしりと付着しています。ホースから出てくる水道水で流した程度では、この卵は流れていってくれないので、スポンジを手にもち飼育容器全体についた卵をとりのぞくのが大変でした。

前回、「日中は飼育容器の底でじっとしていることが多く、エサもあまり食べていない」とご紹介したこちらの個体。産卵したらすっきりしたのか、ふつうにスイスイと泳ぐようになり、エサも他の個体と変わらないくらいよく食べるようになりました。

あまりエサを与えすぎると、またすぐに産卵してしまうのが悩みの種です。しかし、産卵しなくなる時期までエサを減らしてやり過ごすとなると、やせてしまうのでこれも考えものです。卵を産んでしまったら、その時はあきらめて飼育容器のそうじをするしかないのかもしれません。

もう1匹の黒の個体はオスですが、この1か月の間に体が少し大きくなってきました。

頭もとてもよく出てきています。色がメスの個体よりも黒いので迫力があります。

さて、先月に山田芳人さんからいただいた卵から孵化した当歳魚の現在のようすです。

卵から稚魚がふ化したのは4月18日でしたが、数が少なかったのでずっとそのまま育てていました。

数は少なくてもこんな感じの尾開きをした魚がみられるので、成長がとても楽しみです。


2019年4月 らんちゅうの育成

4月も中旬がすぎ下旬にもなると暖かい日が多くなってきました。それにともないらんちゅうたちのエサを食べる量が増えて、飼育水の汚れるのが早くなってきました。

こちらはふだんあまりご紹介することのない三歳魚たちです。一番小さい左下の個体はオスで間違いありませんが、他の2匹について今ひとつはっきりしません。

こちらの黒の二歳魚は、最近頭をあげて変な泳ぎ方をするようになってしまいました。日中は飼育容器の底でじっとしていることが多く、エサもあまり食べていないようすです。内臓関係を悪くしたのかしれません。

上の黒の個体といっしょの容器で泳ぐこちらの白の個体は、体調が良いせいか最近フンタンが発達してきました。尾はやわらかすぎるのであまり見栄えがしませんが、エサを与えると真っ先に寄ってきてガツガツ食べるので、見ていて気持ちが良いです。

2月にもご紹介したこちらの素赤の個体も調子は悪くありません。

こちらの元「黒」だった個体は、少し赤が強くなってきました。それにともない頭部分の色もはっきりしてきています。白の面積が増えてきているので、もしかすると、最終的にはほとんど頭は白になってしまうのかもしれません。

撮影中、黒のオスが赤のメスのお腹をさかんにつっつく動作を繰り返していました。この赤の個体は卵を持っていて、この撮影の翌日には産卵しました。他にも2〜3匹のメスが同時に卵を産んでしまい、飼育水はどろどろで泡だらけです。そのままにしておくことはできないので、水をぬいて容器にびっしりついた卵をスポンジで洗い流し、新しい水と入れ換えました。

先日、毎年送っていただいている山田芳人さんのらんちゅうの卵が届きました。


卵は無事孵化しました。今年も当歳魚の成長のようすを本ブログでご紹介していきたいと思います。


2019年2月 らんちゅうの育成

先月は、山田芳人さんが主宰する尾張優魚会の交換会がありました。まだまだ気温の低い季節ですが、その会場では「もう採卵した」という話も聞かれました。今頃は稚魚の選別が行われているのかもしれません。
2月に入ってからも相変わらずの寒さが続いていますが、今年は急に気温の高くなる日もあり、温度変化がはげしいのでらんちゅうの体調管理には気を使います。12月の中旬くらいまでは、タイマーを使用して少しだけ給餌していましたが、食べ残すことが多くなったので与えるのをやめています。そういうこともあり、最近では少し痩せてきてしまっているようです。
先日撮影した弊社で育成しているらんちゅうたちの現在のようすをご紹介します。

昨年11月には、まだ黒い部分を残していたこちらの個体。

現在は、ほぼ黒い部分はなくなりこんな姿になりました。赤色が全体に強くなってきているようです。

素赤になるのかと思っていたら、フンタンはどうやら白になるようです。

一方、昨年11月こんな感じだったこちらの個体は…

少し赤が濃くなったかな、という程度であまり変化はないようです。

昨年11月にはこんな感じだった黒いこちらの個体は…

現在は、さらに真っ黒になっています。

もう一匹いる黒い個体といっしょに撮影してみました。画像で上側の個体は、腹が赤くなってきています。

そして、最後は明け三歳魚です。尾以外はサイズも含めそれらしくなっています。


2019年1月 らんちゅうの育成

正月休み明けの最初の週、山田芳人さんが来社されました。
じつは、11月3日の大会のおわった後、今年育成した当歳魚たちを山田芳人さんにご覧いただくつもりだったのですが、実物をご覧いただくのは今回が初めてとなりました。
現在の飼育状況などを山田芳人さんにお話しながら、飼育中のらんちゅうをご覧いただきました。いろいろなことをお話させていただきましたが、話題の中心はやはりこちらの退色しないらんちゅうたちのことでした。弊社で育成中のらんちゅうは山田芳人さんからいただいた卵を育成したものですから、同様の表現を持つらんちゅうは山田芳人さんが育成中のらんちゅうたちにも結構出ているそうで、中には下の画像そっくりな個体もいるとのことでした。

山田芳人さんによると、この退色の遅い系統どうしで交配したという方がすでにいらっしゃるそうで、その子の世代では退色の遅くなる傾向がさらに強まる結果が得られているのだそうです。何とも興味深いお話です。このような退色の遅い個体は、比較的最近になってみられるようになったもので、それまではこの系統も一般的ならんちゅうと同じようにふつうに退色する個体ばかりが生まれていたそうです。下の画像は、以前ご紹介した山田芳人さんが育成された色変わりの遅いらんちゅう。

この退色の遅い個体がたくさん出る系統も、孵化後数ヶ月くらいのときには、一般的な系統と比べとくにちがいは見られません。この稚魚の中に上の写真の個体もいるはずですが、どれがそれであるかはわかりません。

そして、ほぼ体型や尾型が決まってくる頃になっても、まだこんな感じでとくに色のちがいは感じられません。

さらにその1か月後になっても、体色はごくふつうのフナのような色のままでした。

それが、さらに1か月ほどするとこのように黒さが増してきました。この写真では撮影のために白い洗面器に入れているので、それほど黒くは感じられない色調に写っていますが、飼育容器で他のらんちゅうたちと泳いでいるときには、輸入の黒らんちゅうか、と思うほどの黒さで思わずはっとさせられます。

暖かくなる頃には、おそらく色変わりが始まってしまうとものと思われますが、水温の低い今の時期はあまり体色の変化はみられません。もうしばらくは黒いままの姿を楽しむことができそうです。