2018年6月 らんちゅうの育成

今月も4月10日頃に孵化した稚魚たちのようすをご紹介します。

現在の当歳魚たちの数は60匹になりました。先々週まではなかなか数を減らせない状況が続いていましたが、先週に入ってから急に個体ごとの良い悪いがはっきりしてきました。あれだけよく開いていた尾ビレが、時間の経過とともに支えきれなくなくなってくるのか、しぼんだようになってしまう個体が増えてきたのです。

今年は、一番目の選別の際にこれまでにはなかった失敗をしてしまいました。水換えの際にすべて新しい水にしてしまったことで稚魚たちが体調を崩し、成長が遅くなってしまったのです。これは、現在でも影響が残っていて、当歳魚たちの成長のペースは以来ずっと遅れたままです。昨年まで注意できていたことが、今年はすっかり忘れていたというのは、やはり「油断していた」ということなのでしょう。今年、山田芳人さんからいただいた卵の稚魚は尾の開きがとてもよかっただけに、よいコンディションを保てなかったのは非常に残念です。

80リットルのプラ舟に収容している当歳魚は15匹です。当歳魚のサイズが小さ目なので、これだとちょっと少ない気もしますが、一週間もすればちょうど良いくらいになると思います。もう一つ80リットルの容器があり、こちらにも15匹収容しています。残りは150リットル容器に30匹で飼育しています。

じつは、150リットルの容器で泳がせている稚魚の方がよく育ちます。80リットル容器と150リットルの容器では水量はおよそ倍なので、当歳魚の数も倍の数を収容するようにしていました。なので、与える餌の量も倍にしていますが、それでも150リットル容器の方が成長の具合が良いのです。当歳魚の数は、ある程度数がいたほうが競うように餌を食べるので良いとか、広さがあって運動量がちがうことが成長に影響与えている、などが要因として考えられますが、容器の大きさと数は変えられないので、週ごとに収容する容器をローテーションさせるようにして成長のちがいが少なくなるようにしています。


山田芳人さんからは、今回も「肉瘤が出る系統ですよ」と聞いていましたが、こうして見るとすでにけっこう肉瘤は出てきているようです。

ところで、三歳魚の産卵がまだ続いていて困っています。飼育場所の温度が産卵にちょうど良いくらいのせいなのでしょうか。でも、二歳魚の方の産卵はすでに終わっています。三歳魚は体が大きいので、産む卵の数もかなりのものです。産卵すると飼育水は泡だらけになり白濁しますので、飼育水を抜いて容器に着いた卵をすべて洗い落とし、新しい水と交換するしかありません。

こちらは二歳魚です。少し前に体調を崩しかけたことがあり、その際に餌を切りました。現在は復調していますが、ふたたび体調を崩してしまうことを恐れて、あまり餌を多く与えられないでいます。二歳魚としてはかなり小さ目なので、できればもう少し体を大きくできればと思っています。


2018年5月 らんちゅうの育成

4月10日頃に孵化した稚魚たちの今月のようすをご紹介します。

孵化後18日の水換え時の稚魚たちです。数は1200匹です。
ガラス水槽で孵化したばかりの稚魚を見たときは、「数百匹くらいかな」と思っていましたが、実際にはぜんぜんちがっていて、2000匹以上孵化していました。前回のブログでは、「そろそろ選別をしなくては…」というところまででしたが、数が多いため稚魚が育ってくるとすぐに飼育容器は窮屈な状態になってしまいました。



1回目の選別では、軽くフナ尾や開きの悪い尾の魚を外しました。しかし、これでは数があまり減らないので、三つ尾とわかるものも外してとにかく数を少なくすることにしました。

孵化後32日の水換え時の稚魚たちです。数は650匹です。
この日、稚魚たちの飼育水はすべて新しい水に交換したのですが、この日を境に稚魚たちのようすがおかしくなってしまいました。

じつは、らんちゅうではありませんが同じ日に他の品種の金魚の稚魚の全換水も行ったのですが、こちらは翌日からポツポツと死んでいくようになり、さらに数日後には半数近くまで減ってしまうという事件がありました。水換えをするまではとくに問題なく成長を続けていたので、これは明らかに水換えしたことが原因です。今回の場合、古い飼育水を新しい水で割って使用するのが「正解」だったようです。昨年は、この時期の水換えをどのようにしていたのか、じつはあまりよく覚えていません。もしかすると、孵化後60日くらいまでは古い飼育水を割って使用していたのかもしれません。
らんちゅうたちは死魚こそ出ませんでしたが、調子が悪く体はなかなか大きくならなくなってしまいました。

孵化後47日の水換え時の稚魚たちのようすです。数は145匹です。
状態を悪くしてしまったこともあって、やはりあまり成長していません。
飼育水にはブラインシュリンプの卵の殻が浮いていたり、汚れが目立っているので全部新しい水に交換したいところですが、古い飼育水のゴミが入らないように取り出し、新しい水と割って使用することしました。

今回の選別では選別モレの三つ尾の個体や、切れ込みの少ない桜尾をはずすことにしました。写真の80匹の稚魚は150リットル容器に収容しています。

二歳魚がまた産卵しました。しかし、もう稚魚を収容するスペースはありませんので、今回は採卵しませんでした。


2018年4月 らんちゅうの育成

今月のはじめ、山田芳人さんかららんちゅうの卵の入った荷物が到着しました。

卵は、黒いネットに付着した状態で水の入った袋に入っていました。

後日、山田芳人さんから電話があり、この卵は4月5日に産卵したものとのことでした。
卵は、4〜5日後には無事孵化しました。

いつものように、孵化するまで卵は小型のガラス水槽で管理していましたが、1週間もしないうちに小さなプラ舟に引っ越しすることになりました。思ったよりも孵化した稚魚の数が多かったのです。

こちらが現在の稚魚たちのようすです。水換えのために洗面器に入れたところを撮影しました。

上の画像の稚魚を拡大してみたところです。こうしてみると、すでに尾が開いてきていることがわかります。そろそろ選別をしないといけない頃です。

明け二歳魚たちも、最近少し卵を産んだようです。

背中に小さな赤い点のある白い個体がメス、他の3匹はオスのようです。メスがオスに追われていたのでメスのお腹を押して確認しましたが、卵はあまり出てきませんでした。
あまり激しくオスがメスを追うようになると、メスがケガするのを避けるため飼育容器を分けなくてはなりませんが、今のところその必要はなさそうです。


2018年3月 らんちゅうの育成

3月に入ってから、昼間は暖かくなる日が多くなりました。先月まで寒かった分、よけいにそう感じるのかもしれません。
ところで、以前にもお話したかもしれませんが、弊社のらんちゅう飼育場所は直接日光があたらないところにあるので、気温が上がらないと水温も上がりません。よく言えば水温変化が少ない場所、ということになるでしょうか。
そんな場所でも最近はだいぶ水温があがるようになり、らんちゅうたちもよく泳ぐようになってきました。それに伴いエサをよく食べるようになってきたので、冷凍アカムシだけでなく人工飼料も与え始めました。

この日の水温は12℃弱。気温は16.5℃です。ちなみにこの水温計の日付と時間はきちんとセットしていないので、実際とは異なります。

この日の名古屋城のようすです。サクラが満開ちかくになってきています。開花も例年より早めだったようです。

人工飼料を与えるようになると水の汚れが早くなってきます。この飼育容器の水は撮影の前日に換えたばかりですが、もう結構汚れが目立ちはじめています。

ずっと食べていて慣れているからかもしれませんが、弊社のらんちゅうたちは空腹になると水面にあがってきてエサを探して口をパクパクさせます。なので、エサを与えるとこのようにすぐ水面に集まってきてエサを食べ始めます。

よく食べるからといってエサをあまりたくさん与えすぎると、まだ本調子ではない内臓に負担がかかり、調子を悪くしてしまうかもしれません。この時期はなるべく与えすぎないよう注意が必要です。とくに、この四歳魚たちは、昨年の水温の高い時期でもエサを与えすぎると調子を崩しやすかったので、他のらんちゅうたちよりも気をつかいます。

四歳魚たちといっしょに泳ぐこの三歳魚は、弊社内で採卵して育成した唯一のらんちゅうです。じつは昨年も採卵はしたのですが、孵化しませんでした。

今年、もし卵を産んで1000匹くらい孵化したら、その時は育成しようかと考えています。


2018年2月 らんちゅうの育成

1〜2月にかけては、例年よりも気温が低いと感じる日が多かったような気がします。弊社のらんちゅう飼育場所では飼育水が凍るようなことはありませんでしたが、それでも水温が0℃という日はけっこうありました。

水温の低い冬の間は、水換えはしないというのが一般的ですが、今シーズンは試験的に水換えをすることにしました。こちらは、昨年の当歳魚、明け二歳魚たちの現在のようすです。洗面器の数が足りないので、水換えのときはいつもこのプラスティックのコンテナに入れています。

この日の水温は6℃弱。気温は8℃弱です。

らんちゅうを飼育している容器の水を抜いたあとのようすです。ごらんのように容器の内側にコケはほとんどついていません。もちろん水は透明なままです。容器の底にはらんちゅうのフンがあります。じつは、少量ずつですが冷凍アカムシと人工飼料は毎日与えています。なので、このようにけっこうフンをしているのです。

コンテナに入れた明け二歳魚を洗面器に入れて撮影してみました。こうしてみると青水の中にいたわけでもないのに、意外と赤色の濃さを維持しています。ずっとエサを与えていたからでしょうか。

こちらは明け三歳魚たちです。水換えのときには、他の魚が洗面器に入っていたため、洗面器に入れて撮影した写真はありません。こちらもやせずきることもなくなかなか良い感じです。むしろ、肉が付きすぎて繁殖に影響が出ることになるのかもしれません。

昨年の夏に体調を崩して体色が変わってしまったこの個体も元気にしています。しかし、尾の張りがかなり弱くなってしまって格好が悪いのであえてこの角度からの撮影です。

明け二歳魚、三歳魚、四歳魚とも、これまでとくに体調を崩したりすることはありませんでした。このあと、春の繁殖がうまくいけば、こうした冬の管理(青水ではない飼育水で少量ずつの餌やり)でも問題はないのかもしれません。その結果は、また本ブログでご紹介したいと思います。