2018年10月 らんちゅうの育成

今月の当歳魚たちのようすをお伝えします。

今年は大型の台風が何度もやってきて、そのたび各地に大きな被害をもたらしています。全国で開催されているらんちゅうの品評会の運営にも影響が出てきているのではないでしょうか。

今回の集合写真はこの4匹で撮影しました。
こうして見ると、体の成長具合にだいぶ違いが出てきているのがわかります。この4匹は、同じ飼育容器でいっしょに飼育しています。

最近では、水温がだいぶ下がってきました。その影響なのか、当歳らんちゅうたちにも少し変化が見られます。ふにゃふにゃだった尾びれに少し「張り」が出てきたようです。

そうは言っても、これまでにもこういった例はありましたので、暑い時期になるとまたふにゃふにゃ尾びれに戻ってしまう可能性は大なのですが…

色変わりしていないこちらの当歳魚にも変化が見られます。写真ではちょっとわかりづらいのですが、腹側から少しすづ色変わりが始まってきています。目にもちょっと赤が出てきているのがわかります。

しかし、これ以外の色変わり前の個体たちは相変わらずです。
こちらの個体も色変わりしそうなのですが、なかなか進みません。もう少し腹をつけたいと思っていますが、現状ではあまり変化はありません。サイズ自体は大きくなってきていますが…

こちらの個体は、暑い時期は尾びれがふにゃふにゃだったので、あまりご紹介してきませんでしたが、水温が下がったせいか急に尾に張りが出てきました。
じつは、今年の当歳魚の中ではこの個体のサイズが一番大きいのです。

ご覧のとおり、この個体は肉瘤の発達がとても良いです。よく見てみると胸びれに追い星らしきものが…大きく育つオスは希少ですので、もし本当にオスならこのまま大きく育ててみたいところです。

前回もご紹介しているこちらの個体は、今月はあまり変化が見られないようです。先月の写真と比較すると、少し赤色が強くなったくらいでしょうか。

こちらの白の個体は、前回の写真とほぼ同じポーズです。こちらも体は大きくなっていますが、それ以外はとくに大きな変化はありません。

こちらの素赤の個体、尾は相変わらずほぼ左右真横にピンと張ったままで、泳ぎはぎこちない感じです。

こちらのクセの強い個体は、尾びれの片側をひっくり返してしまいそうな泳ぎ方をします。近いうちにひれがめくれてしまうのでは、と思っていましたが今ところはまだ大丈夫のようです。

こちらの個体もクセが強く、泳ぎはあまり良くありませんが、見る角度によってはちょっと良さげ見えるときもあります。


尾張優魚会 第二十四回らんちう品評大会

9月16日(日曜日)、愛知県清須市にある「はるひ夢の森公園」において、山田芳人さんが会長をつとめる尾張優魚会の品評会が開催されました。
昨年は台風のため、11月まで大会開催が延期となりましたが、今年はそういったこともなく、少し暑いくらいの品評会日和となりました。

今年は、山田芳人さんの開会の挨拶のようすが撮影できました。

審査前の当歳魚です。

同じく親魚です。

集合写真です。当日は多くの参加者で賑わいました。

今回も、いつもどおり各部門上位3尾ずつ山田芳人さんに解説していただきました。

親魚 優等賞
東大関 川口敦司 (稲沢)※敬称略、以下同
更紗模様で色艶良く、泳ぎが軽やかで鱗並びが綺麗、尾形も抜群、腹形のバランスが取れるともっと素晴らしいらんちうになると思います。

西大関 辻 敏秋 (那智勝浦)
体形の抜群のらんちうで目幅からズトンと来ています。尾形にもう少し張りが出ればもっと素晴らしいらんちうになると思います。

立行司 目時勝太郎 (西尾)
面白でバランスの良い配色のらんちうで腹形が下がり、尾にもう一張りくればもっと素晴らしいらんちうになると思います。

二歳魚 優等賞
東大関 山田芳人 (清須)
筒の太み尾形、力強い泳ぎ抜群で頭がもう少し仕上がると素晴らしいらんちうになると思います。

西大関 沢田光孝 (半田)
配色、頭、尾形、泳ぎ抜群のらんちうで、鱗並びが荒めですが色が揚がると隠すと思います。まだ余裕のあるらんちうで親になった時は愛知県無敵な感じのする素晴らしいらんちうです。

立行司 川口 功 (尾張)
頭、尾形、体形バランスの取れたらんちうで、泳ぎも上手く作りも抜群です。立行事にピッタリの味のある素晴らしいらんちゅうです。

当歳魚大の部 優等賞
東大関 十河哲也 (武豊)
面白で配色の良いらんちうで、総体的バランスの取れた素晴らしいらんちうです。飼育技術が見て取れるらんちうです。

西大関 小濱照明 (三重)
バランスの良い更紗模様で頭、体形、尾形、泳ぎ抜群です。水温が下がり尾にもう一張りくると怖いらんちうです。素晴らしいらんちゅうです。

立行司 小濱照明 (三重)
一文字模様の更紗で総体的バランスの取れたらんちうです。二歳、親と楽しめそうな素晴らしいらんちうです。

当歳魚小の部 優等賞
東大関 竹内 宏 (名古屋)
面白の更紗で色艶も良く尾形泳ぎが抜群に良いらんちうです。大の部で戦っても引けを取らない素晴らしいらんちうです。

西大関 高津晴彦 (可児)
赤勝ちの更紗で尾形太み抜群です。二歳、親と楽しめそうな素晴らしいらんちうです。

立行司 山田芳人 (清須)
白勝ち更紗で尾形が良くバランスの取れた味のあるらんちうです。


2018年9月 らんちゅうの育成

今月の当歳魚たちのようすをお伝えします。

最近になって、ようやく暑さも少し和らいできたような気がしますが、温度計を見てみるとそれでもまだ30℃以上はあります。

当歳魚たちは、順調に体が大きくなってきています。先月にもお伝えした退色前の個体は相変わらずで、今のところ色変わりしそうな雰囲気はまったくありません。9月になっても色変わりしない当歳魚が複数いることは、今までにはなかったかもしれません。

いつものサイズの比較のために100円硬貨を洗面器に入れた集合写真です。
今回はこの3匹での撮影です。前回ご紹介した一番上の更紗の個体は、やはり尾がふにゃふにゃになり、すっぽ抜けてしまいました。今年の当歳魚の中では唯一更紗らしい個体だっただけにとても残念です。

一方、上の写真で一番下に写っているこちらの個体の尾は、なんとか持ちこたえています。先月の写真と比較すると、体はちょっと太みがついてきているようです。

こちらの退色前の個体は、いつになったら色変わりするのでしょうか。このような色変わりの遅い個体は、色が変わったときには素赤になるものとばかり思っていましたが、そうとも限らないそうです。

こちらの白の個体は、このところ急に体が大きくなってきました。体や各ヒレにほとんど色がないのが残念ですが、なんとなく太くなりそうな気がします。

こちらも先月ご紹介した個体です。そろそろもう少し腹をつけた方が良いような気がするので、冷凍アカムシを与える比率を少し下げて、人工飼料の比率を上げていくつもりです。この個体もまだ退色前ですが、更紗でなくても良いので、ふつうに素赤になってくれればと思っています。

こちらの素赤の個体は、他の個体と比較すると体がやや小さめ、つまりあまり大きくなっていません。そのせいか、こうして写真で見ても全体的にまだやや幼さが感じられます。尾は相変わらずほぼ左右真横にピンと張ったままです。

今回の兄弟魚の中ではもっとも異なる雰囲気を持つこの個体。尾の張りが強めの長手だから、そう見えるのでしょうか。少し腹と尾の間が空きすぎな感じなので、うまく調整できればと思っています。

浮上性のエサを食べる当歳魚のようすです。浮上性のエサをたべるとき、ぱっと開くように尾を使っているようなので、これが尾開きに良い影響を与えてくれないかと期待しながら与えています。


2018年8月 らんちゅうの育成

今月の当歳魚のようすをご紹介します。

毎日暑い日々が続いているので飼育水の水温も高いのですが、蛇口から出る水道水もまるでぬるいお湯のようです。時間帯によっては、飼育水よりも水道水の温度の方が高いことすらあります。塩素除去さえすればすぐに水換えができるのは良いのですが、一体この暑さはいつまで続くのでしょうか。

当歳魚たちは、先月から大分体が大きくなってきました。まだ退色が始まらない個体が3分の1くらいいます。いまのところ、退色前の個体は色変わりしそうな雰囲気はまったくありません。

恒例のサイズの比較のために100円硬貨を洗面器に入れた集合写真です。
今回は退色前の個体ばかりで撮影してみました。たまたまかもしれませんが、退色前の方が体の成長が良い個体が多くみられます。

中でも一番目立っているのは、派手な尾ビレを持っているこの個体です。先月まではかなりクセのある泳ぎをしていたのですが、現在はちょっと改善してきています。

どの個体もフンタンの発達はとても良い感じです。

こちらは、先月もご紹介した尾ビレの張り具合が強めの個体です。先月はまだ退色前でしたが、その後すぐ退色してこのような姿になりました。尾びれの張りが強いのは変わっていませんが、泳ぎの悪さが目立つようになってきました。

今回は全身ほぼ白という個体が3匹残っています。今回撮影したこの個体は、「全身白色」と思って撮影用の洗面器に入れたのですが、こうして画像を見ると胸びれの一部と目が赤いことがわかります。先月までもう少し尾ビレは張っていたような気がしますが、今はかなり弱い感じがします。この後、やはりもっとすぼんでいってしまうのでしょうか…

このまま腹をつけていくと、尾ビレが負けてしまいそうでどうしたものかと思案中の個体です。今の時点ではまだ尾ビレの振りをとめたときに、このような開いた状態に戻ります。

こちらも上の個体と同様の問題を抱えています。来月果たして本ブログでご紹介できるような状態を保っているでしょうか。

こちらはオスの三歳魚の頭です。ちょっと雰囲気の変わった瘤のつき方になってきました。

こちらも三歳魚で、メスの個体です。上の白の個体と比べると1.5倍くらい大きな体をしています。7月下旬にまた産卵しました。

浮上性のエサを食べている二歳のオス魚です。メダカの飼育容器にたくさん浮き草が殖えていたので、すくってあげてみました。とても良く食べるのですが、たくさん与えると水が汚れるような気がするので、水換えをしてすぐのときに少しだけ与えるようにしています。


2018年7月 らんちゅうの育成

今年の4月10日頃に孵化した稚魚たちの今月のようすをご紹介します。

先月の本ブログでも触れましたが、尾ビレが柔らかくなってしまう個体は先月以降も増え続けています。その原因についてはいろいろなことが想像されます。水温が上昇したためことによる飼育水の悪化、もしかすると人工飼料を与えるようになったこともこれを助長しているかもしれません。しかし、そうはいっても人工飼料を与えないで育てるのはいろいろな意味で難しいので、もし原因のひとつとして「人工飼料の与え過ぎ」があげられたとしても、水質悪化を防ぐためには水換えの回数を増やして対処するしかありません。
そういえば最近、この水換えの回数を減らすことを目的として、らんちゅうの飼育で以前熱帯魚の飼育でよく使われていた「スポンジフィルター」を使用される方が増えているのだそうです。私も、室内に設置しているガラス水槽では「スポンジフィルター」を使用していますが、水換えの回数が少なくてすむ、ということはないような気がします。

サイズの比較のため、100円硬貨を入れて撮影してみました。数年前の同じ時期の当歳魚の画像を見て比較したところ、やはり成長は2〜3週くらいは遅れているような感じがします。それに、腹のつき具合も弱めのようにも見えます。

日が経つごとに、尾が負けていってしまう個体が増えて行くので、いまのところはこんな感じの尾ビレをしていても、来週にはもう違った姿になっている可能性は決して低くありません。

少し体が短めのこちらの個体も、来週にはすっぽ抜けたような尾ビレになっているかもしれません。

頭の肉瘤は、どの個体も順調に発達してきています。

こちらは、まだ尾ビレの張り具合が強めの個体です。もうこの個体くらいの張りをしている個体はあまりいません。体を早く大きくしすぎると、尾ビレが負けてしまうような気がする一方、餌を少な目にして育てると、尾ビレの張りが強くなりすぎて体を大きくできなかったり、幅をつけられなかったりといったことが気になってきます。