2018年7月 らんちゅうの育成

今年の4月10日頃に孵化した稚魚たちの今月のようすをご紹介します。

先月の本ブログでも触れましたが、尾ビレが柔らかくなってしまう個体は先月以降も増え続けています。その原因についてはいろいろなことが想像されます。水温が上昇したためことによる飼育水の悪化、もしかすると人工飼料を与えるようになったこともこれを助長しているかもしれません。しかし、そうはいっても人工飼料を与えないで育てるのはいろいろな意味で難しいので、もし原因のひとつとして「人工飼料の与え過ぎ」があげられたとしても、水質悪化を防ぐためには水換えの回数を増やして対処するしかありません。
そういえば最近、この水換えの回数を減らすことを目的として、らんちゅうの飼育で以前熱帯魚の飼育でよく使われていた「スポンジフィルター」を使用される方が増えているのだそうです。私も、室内に設置しているガラス水槽では「スポンジフィルター」を使用していますが、水換えの回数が少なくてすむ、ということはないような気がします。

サイズの比較のため、100円硬貨を入れて撮影してみました。数年前の同じ時期の当歳魚の画像を見て比較したところ、やはり成長は2〜3週くらいは遅れているような感じがします。それに、腹のつき具合も弱めのようにも見えます。

日が経つごとに、尾が負けていってしまう個体が増えて行くので、いまのところはこんな感じの尾ビレをしていても、来週にはもう違った姿になっている可能性は決して低くありません。

少し体が短めのこちらの個体も、来週にはすっぽ抜けたような尾ビレになっているかもしれません。

頭の肉瘤は、どの個体も順調に発達してきています。

こちらは、まだ尾ビレの張り具合が強めの個体です。もうこの個体くらいの張りをしている個体はあまりいません。体を早く大きくしすぎると、尾ビレが負けてしまうような気がする一方、餌を少な目にして育てると、尾ビレの張りが強くなりすぎて体を大きくできなかったり、幅をつけられなかったりといったことが気になってきます。


2018年6月 山田芳人さんのらんちゅう飼育

先日、今年初めて山田芳人さんのらんちゅう飼育池を訪問させていただきましたので、そのようすをご紹介します。今回は当歳魚を中心に撮影させていただきました。

すでに色変わりを終えたちょっと大きめの当歳魚たち。水面に浮いている水草は、ミジンコを採ってきたときにいっしょにくっついてきて、それが育ったものだとか。水を変えたばかりで透明なので、とても涼しげな感じがします。

以前伺った際にはなかった2階だての飼育容器でも当歳魚が飼育されていました。よく見てみると、台になっているのはガラス水槽用のもののようです。

こちらは、色変わり前のちょっと小さめの当歳魚が泳ぐFRP製の飼育容器です。こうして引いてみると、どこにらんちゅうが泳いでいるのかよくわかりません。どこにいるのかというと…

当歳魚たちは、この魚溜まりの付近に集まっていました。思ったよりもかなりたくさんいるようです。

今回も洗面器に入れて撮影させていただくことにしました。撮影用のらんちゅうを選んでいる山田芳人さんです。



二歳魚も3匹撮影させていただきました。いずれも昨年12月にもご紹介している個体ですので、そのときの写真と比較するとちがいがよくわかります。3番目の更紗の個体は、背中を少しケガして鱗がはがれています。


山田芳人さんはサボテンもお好きとのことで、かなり以前から飼育池の一角には鉢を並べ、ひそかに(?)楽しまれています。


2018年6月 らんちゅうの育成

今月も4月10日頃に孵化した稚魚たちのようすをご紹介します。

現在の当歳魚たちの数は60匹になりました。先々週まではなかなか数を減らせない状況が続いていましたが、先週に入ってから急に個体ごとの良い悪いがはっきりしてきました。あれだけよく開いていた尾ビレが、時間の経過とともに支えきれなくなくなってくるのか、しぼんだようになってしまう個体が増えてきたのです。

今年は、一番目の選別の際にこれまでにはなかった失敗をしてしまいました。水換えの際にすべて新しい水にしてしまったことで稚魚たちが体調を崩し、成長が遅くなってしまったのです。これは、現在でも影響が残っていて、当歳魚たちの成長のペースは以来ずっと遅れたままです。昨年まで注意できていたことが、今年はすっかり忘れていたというのは、やはり「油断していた」ということなのでしょう。今年、山田芳人さんからいただいた卵の稚魚は尾の開きがとてもよかっただけに、よいコンディションを保てなかったのは非常に残念です。

80リットルのプラ舟に収容している当歳魚は15匹です。当歳魚のサイズが小さ目なので、これだとちょっと少ない気もしますが、一週間もすればちょうど良いくらいになると思います。もう一つ80リットルの容器があり、こちらにも15匹収容しています。残りは150リットル容器に30匹で飼育しています。

じつは、150リットルの容器で泳がせている稚魚の方がよく育ちます。80リットル容器と150リットルの容器では水量はおよそ倍なので、当歳魚の数も倍の数を収容するようにしていました。なので、与える餌の量も倍にしていますが、それでも150リットル容器の方が成長の具合が良いのです。当歳魚の数は、ある程度数がいたほうが競うように餌を食べるので良いとか、広さがあって運動量がちがうことが成長に影響与えている、などが要因として考えられますが、容器の大きさと数は変えられないので、週ごとに収容する容器をローテーションさせるようにして成長のちがいが少なくなるようにしています。


山田芳人さんからは、今回も「肉瘤が出る系統ですよ」と聞いていましたが、こうして見るとすでにけっこう肉瘤は出てきているようです。

ところで、三歳魚の産卵がまだ続いていて困っています。飼育場所の温度が産卵にちょうど良いくらいのせいなのでしょうか。でも、二歳魚の方の産卵はすでに終わっています。三歳魚は体が大きいので、産む卵の数もかなりのものです。産卵すると飼育水は泡だらけになり白濁しますので、飼育水を抜いて容器に着いた卵をすべて洗い落とし、新しい水と交換するしかありません。

こちらは二歳魚です。少し前に体調を崩しかけたことがあり、その際に餌を切りました。現在は復調していますが、ふたたび体調を崩してしまうことを恐れて、あまり餌を多く与えられないでいます。二歳魚としてはかなり小さ目なので、できればもう少し体を大きくできればと思っています。


2018年5月 らんちゅうの育成

4月10日頃に孵化した稚魚たちの今月のようすをご紹介します。

孵化後18日の水換え時の稚魚たちです。数は1200匹です。
ガラス水槽で孵化したばかりの稚魚を見たときは、「数百匹くらいかな」と思っていましたが、実際にはぜんぜんちがっていて、2000匹以上孵化していました。前回のブログでは、「そろそろ選別をしなくては…」というところまででしたが、数が多いため稚魚が育ってくるとすぐに飼育容器は窮屈な状態になってしまいました。



1回目の選別では、軽くフナ尾や開きの悪い尾の魚を外しました。しかし、これでは数があまり減らないので、三つ尾とわかるものも外してとにかく数を少なくすることにしました。

孵化後32日の水換え時の稚魚たちです。数は650匹です。
この日、稚魚たちの飼育水はすべて新しい水に交換したのですが、この日を境に稚魚たちのようすがおかしくなってしまいました。

じつは、らんちゅうではありませんが同じ日に他の品種の金魚の稚魚の全換水も行ったのですが、こちらは翌日からポツポツと死んでいくようになり、さらに数日後には半数近くまで減ってしまうという事件がありました。水換えをするまではとくに問題なく成長を続けていたので、これは明らかに水換えしたことが原因です。今回の場合、古い飼育水を新しい水で割って使用するのが「正解」だったようです。昨年は、この時期の水換えをどのようにしていたのか、じつはあまりよく覚えていません。もしかすると、孵化後60日くらいまでは古い飼育水を割って使用していたのかもしれません。
らんちゅうたちは死魚こそ出ませんでしたが、調子が悪く体はなかなか大きくならなくなってしまいました。

孵化後47日の水換え時の稚魚たちのようすです。数は145匹です。
状態を悪くしてしまったこともあって、やはりあまり成長していません。
飼育水にはブラインシュリンプの卵の殻が浮いていたり、汚れが目立っているので全部新しい水に交換したいところですが、古い飼育水のゴミが入らないように取り出し、新しい水と割って使用することしました。

今回の選別では選別モレの三つ尾の個体や、切れ込みの少ない桜尾をはずすことにしました。写真の80匹の稚魚は150リットル容器に収容しています。

二歳魚がまた産卵しました。しかし、もう稚魚を収容するスペースはありませんので、今回は採卵しませんでした。


尾張優魚会 弐歳会

2018年5月20日(日曜日)、愛知県清須市にある「はるひ夢の森公園」において、山田芳人さんが会長をつとめる尾張優魚会の弐歳会が開催されました。
当日の朝はかなり冷え込み、水温は10℃くらいまで下がりました。しかし、昼頃には気温は22〜23℃くらいまで上がり、湿気の少ない過ごしやすい天気となりました。

審査前の会場のようすです。出品魚はまず洗面器に入れて、そこで点数が決められます。そして、点数の良いものから展示台の上に並べられていきます。


会長として参加者の皆さんに挨拶をする山田芳人さんです。

出品魚はハイレベルな魚が多かったようです。そんな中で今回の一番に選ばれたのはこの魚です。しっかり飼い込まれた魚で、この時期の二歳魚としてはかなり立派なサイズでした。秋の大会に出品されていても違和感がないほどの見応えのある魚です。

東大関 杉浦憲治(飯田) ※敬称略、以下同

西大関 高津晴彦(可児)

立行司 渡辺 敦(犬山)

東取締 櫻井敏郎(各務原)

西取締 山口 広隆(津)