2017年6月 当歳らんちゅうの育成

先月、ついに山田芳人さんから荷物が届きました。

もちろん、その中身はらんちゅうの当歳魚です。今年は昨年とはちがい、卵ではなくふ化したばかりの稚魚が送られてきました。


餌はふ化したてブラインシュリンプを与えます。金魚飼育の場合、熱帯魚とはちがってブラインシュリンプの卵の殻を分離したり、塩水から淡水に戻すといった作業はあまり一般的ではありません。しかし、弊社ではメダカやグッピーその他にもブラインシュリンプを与えているので、卵の殻だけは分離してから与えています。

その当歳魚はこれまで2回選別作業を行い、現在は100匹ちょっとくらいずつを2つの飼育容器に分けて飼育中です。つい最近になって冷凍アカムシを与え始めました。アカムシを食べられるようになると、体の大きくなっていくスピードが速く感じられるようになります。

こちらは、昨年二歳魚どうしから得られた当歳魚の中で、唯一の「四つ尾」として残した個体です。昨年、本ブログにて角度によって良く見えたり、見えなかったりといったようすを何度もお伝えしました。写真で見てもよくわかりませんが、泳ぎはあまり上手ではなく、静止すると頭を下げがちです。体も小さめで、秋までにいわゆる二歳魚サイズにするのは難しそうな気がします。

上の個体のメス親はこちらの白の三歳魚です。現在もとても調子がよく、どんどん体も大きくなってきています。秋までには品評会の三歳魚サイズになるのはほぼ確実です。しかし、この柔らかすぎる尾びれ…このように尾を振って泳ぐと尾のかたちがわからなくなるほどです。今はこんな姿ですが、当歳魚のときはもっと尾に張りがありました。

この白の個体の当歳魚のときの姿です。2015年6月のちょうど今頃に撮影したものです。

こちらも三歳魚です。オスと思っていたのですが、今春卵を産みました。結局、三歳魚でオスなのは2匹だけで、あとはすべてメスでした。中には、卵も産まず追星も出ず、という個体もいますが、この三歳魚も昨年二歳魚のときには卵を産みませんでした。今年は春先からどんどん餌を与えていたら、あっという間にお腹が出てきました。そしてある日、大量の卵を飼育容器内にばら撒き、飼育水は産卵によって泡だらけになってしまいました。こんなことを他のメスと交互に何回か繰り返していたのですが、最近この産卵ラッシュもようやく終わりを迎えたようです。

次回も当歳魚のようすをお伝えしたいと思います。


2017年4月 当歳らんちゅうの育成

桜の季節も終わり、気温もあがって本格的な金魚飼育のシーズンが始まりました。
例年であれば、らんちゅうの当歳魚の成長のようすをお伝えしている時期ですが、今年はまだご紹介できない状況です。らんちゅう以外の品種なら当歳魚がいるのですが、本ブログはらんちゅう専門とすることにしましたので、今回は、以前(2015年)撮影した当歳魚が成長していくようすをご覧いただくことにします。
1週ごとに撮影した画像を順に並べてみました。画像はサイズ比較用の100円硬貨がすべて同じ大きさになるようしてあります。
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2017年3月 当歳らんちゅうの育成

昨年の今頃は、突然山田芳人さんかららんちゅうの卵が届くというびっくりする出来事がありました。じつは山田芳人さんに「今年も少しだけでいいので卵を分けてください」と厚かましくもお願いしてあります。もちろん、それは本ブログで当歳魚の成長のようすをご紹介するためなのですが、今のところまだ卵は届いていません。しかし、そろそろ繁殖関係の話題に触れなくてはならない時期です。まだタイトル通りの「当歳らんちゅうの育成」はスタートできませんが、今回は1月の尾張優魚会の交換会のときにご紹介した明け二歳魚を先日撮影させていただきましたのでそちらをご覧いただきたいと思います。

あれから2か月が経過しました。真上からの見た目はそれほど変わっていないようですが、腹はやや膨らんできているような気もします

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2017年2月 山田芳人さんのらんちゅう飼育

昨年は本業の方がお忙しくなかなかご来社いただくことができませんでしたが、今年に入ってから山田芳人さんに社内で育成中のらんちゅうをみていただきました。その際、明け三歳魚たちについては「ずいぶん大きくなっていますね」とおっしゃっていただくことができたので、育成のペースとしてはまずまずといったところでしょうか。それ以外の課題はまだまだ多いのですが…

昨年は、水温の低くなる冬の間はほとんど餌を与えませんでしたが、今シーズンは以前から与えようと決めていました。通常、飼育書などでは「冬は与えない」とされていることがほとんどなので、まったく与えないという方も多いと思います。ただ、これは飼育水を青水にして冬越しできるということが前提です。うまく青水にすることができないと、金魚を良い状態に保ちながら冬越しすることはできません。真冬に青水の中を泳ぐ金魚たちがこうした植物プランクトンなどを摂食していることは、その緑色をした糞をみれば明らかです。つまり、飼育者が餌を与えなくても金魚たちは冬の間も食事はしているわけです。
ところが、社内の飼育スペースは日光が十分届く環境ではありませんので、たとえ青水をどこかから持ってきたとしても、とてもそれを維持することはできません。そのようなことから現在の飼育環境では透明な水で冬越しするしかないので、なんとかあまり痩せさせずに冬を越したい、というのが冬にも餌を与えようと思ったきっかけです。その結果については、また別の機会にご紹介したいと思います。 続きを読む