親魚までの育成
幼魚を購入し、若親となる23~25mmまで育成します。
※幼魚では雌雄の判別が困難なため、成長するまで同居 させて飼育します。この際、他の魚との混泳水槽でも かまいません。
※フルサイズの30mmに近づくと既に老成化が始まって いるため、親魚としては不向きであると思われます。
雌雄の判別
オス,メスの若魚を分けて飼育し、ペアリングに備えます。
※プラケースなどに移して観察すると比較的容易に雌雄の判別がつきます。抱卵したメスのお腹は膨らみ、多くの個体は背中が黒ずみます。一方オスはスマートで動きも速く、背中が黒ずむことはありません。
繁殖水槽の準備
20~30cm程度の水槽に網をかけたペアリング水槽をつくります。
※繁殖水槽にはピート水を使用し、薄茶褐色になったpH5.5前後の水を入れます。水温は22~23℃を保ちます。
ペアリング
オス、メス水槽から各1匹ずつ選び繁殖水槽に移します。
※この際、メスは元気でお腹の大きい個体を、オスも元気な個体を選んでください。
※半日~2日の間に産卵が行われます。
産卵後のケア
産卵後の親魚を混泳水槽に戻し(必要であれば)次の産卵に備えます。
※産卵後のネオンテトラは体力も弱り、雌雄の判別もつきにくくなっているため、もとの混泳水槽に移して体力を回復させます。
※産卵後、1~2週間で雌雄が判別できるまでに回復します。うまく産卵しなかったペアも産卵後の親魚同様、一旦もとの混泳水槽に戻してやり直しです。
稚魚の育成方法
①産卵~4日一般的な飼育下においては、1日に何回も稚魚に餌を与えることや水替えは非常に困難です。そこで多少の歩留まりの悪さは無視し、この期間は完全放置とします。 早めに泳ぎだした稚魚の初期飼料として、産卵時にばら撒かれた無精卵などに発生するインフゾリア(ゾウリムシなどごく小さな原生動物)を充てることとします。よって、ペアリング水槽の無精卵などは、親魚を取り出した後も掃除はしなくてかまいません。
②5日~10日
このころから水槽壁面や底面に静止がちだった稚魚も少しずつ遊泳力がついてきます。 ここでの基礎飼料は冷凍ワムシを中心に、後期には孵化したてのブラインシュリンプを少しずつ与えていきます。
③10日以降
この頃になるとブラインシュリンプも完全に食べられるようになります。あとは水質の急変を避け、落ち着いた環境で育てます。 ネオンテトラの稚魚全般にいえることですが、緩やかな水質の悪化には比較的強い反面、水替えなどによる水質の急変には弱いようです。
終わりに
ネオンテトラのような一般的な熱帯魚でも、繁殖方法など未だに知られていないことが多く、今回のブリーディングを通して熱帯魚飼育がいかに奥深い趣味であるかをあらためて感じさせられました。